行くわよ!! 今はそれこそ一大事。
我が人生に関わる、とてつもなく大きなとき……!!
「よし! 行こう!!」
ぐっと拳を作り、携帯とバッグを引っ掴んで玄関に向かう。
目標は、道向こう徒歩10分弱くらいの所にある、ドラッグストア。
そこに行ったら、まず、探そう。
それから、買って……家に帰ってから、ゆっくり、やってみよう。
人生、初の体験。
……初体験……。
「きゃあ! やらしい!!」
思わず、イロイロイロなことが頭に浮かんで、思わずテンションが沸騰寸前だった。
人は、あまりにもドキドキしすぎると、挙動不審になる。
それを今……っていうか、ついさっき、本気で実感した。
「……か……かかっ……買ってきた!!」
ごくり、と思わず生唾を飲み込んで、ぎゅっと握り締めていた掌を開く。
そこには、紙でできた細い箱状の入れ物がひとつ。
……ふふ。
ふふ……ふ……ふふふっ。
「やったどー!!」
思わず、万歳さながらに諸手を上へ挙げる。
やりました!
ワタクシ佐伯優菜、一生に一度の大博打!
……じゃないけど。
でも、きっと一生にそう何度もある経験じゃないと思うのよ。こういうのって。
だって……ねぇ?
「…………」
思わず、じっと手を見る。
そこにある品物、は間違いなく……妊娠検査薬。
そう。
アレですよ、アレ。
1発ぴぴーんっと、結果が表示されるっていうスグレモノ!!
や……まぁ、ね?
スグレモノかどうかは謎だけど、でも、最近CMなんかでも見かけるようになったし。
だけど、まさかこんなに早く自分が結果を出すなんて思わなかったなぁ。
思わず、ぎゅっとそれを握り締めたら、なんともいえない気持ちが広がった。
「やる……っきゃ、ないわよね」
ごくり。
本日2度目、また喉が鳴る。
……ちなみに。
私が今背にしている扉は――実は、トイレだったりして。
……てへ。
すでに、準備万端であります。
あとは、やるだけ。
神様のみぞ知ることを、パンピーの私もついに!
「ビバ! 情報開示!!」
再び、ブツを握り締めたままの手を突き上げ、自分に気合を入れる。
……どうか、ご利益が授かっていますように。
そんな思いをこめて、私はトイレのドアを開けた。
結果は――……
本編で!!
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