君は、僕で。

僕は、君で。

 そうして、かけがえのない存在なんだ。

 とっても、そう、とっても。



 それは、「自分」以上に。



「───好きだよ?」

 隣りにいる彼女が、子犬のようにころころとした瞳でこちらを見上げてきた。

「はぃ?」

 思わず素っ頓狂な声が出てしまった。
 いつもクールな仮面を被って、ピエロ並にポーカーフェイスが上手だと周りに言われてきたのに、隣りに座ってる可愛い彼女はそんな俺の「クール」をあっさりと壊してしまう。

「だって、好きなんだもーん」

 床暖房の効いているフローリングで本を読む俺に、凄く嬉しそうな顔をして彼女は寄りかかってきた。しかも、体育座りで。
 彼女とは、どことなく会ってどことなく付き合った存在。
 出会いだってありきたりで、俺とは別次元の世界の人間なもんだから、こうして一緒にいるのが不思議でたまらない。それなのに、気付けば彼女はいつもにこにこと、俺の隣で笑ってる。
 まるで、昔から一緒にいる「幼なじみ」みたいな感覚。
 昔から、お互いのことはなんでも知ってるような、そんな既視感に襲われるぐらい自然に付き合える「女」だった。
「自然と一緒にこうしていられる関係って、すっごく良いと思うんだ」
「ああ」
「…あ、生返事?」
「そういうつもりはない」
「そお?」
「そう」
「…んじゃ、続きね? …えーっと、そう、こうやって、ひなたぼっこしながらあったかーいフローリングの上で、いちゃいちゃするの、好き」
「…フローリングが暖かいのは、日向のおかげじゃなく、床暖房のせいだと思うが…」
「つっこみはノーセンキュー」
「はいはい」

 少しだけ厳しい顔をした彼女が、あまりにも可愛くてとりあえず流す。
 彼女の話は言うことなす事全部が可愛くて、抱きしめてしまいたくなる。そういう雰囲気を持ってる子。

「でね? 子供が出来たら、大好きだよーって言いながら厳しく育てるんだ!」
「おまえにゃ無理」
「どうしてよ!」


 ───一緒になって、泣くのが目に見えて解ってるから。


「……なんて、言えません」
「あ、今、良からぬ事考えたんでしょ」
「別に?」
「いーや! 今、なんか考えた!」
「そうか?」
「……もー……!!」

 頬を膨らませて、俺に寄りかかる力を大きくした。
 少しだけ、重い。
 が、ここで構うとつけあがる。
 とりあえず、放っておく。

「………冷たい」
「フローリング?」
「…態度」
「ああ、俺の?」
「他に、なにが冷たいのよ」
「おまえの態度」
「なに言ってくれちゃうのよ。こんなにも愛してるのに」
「ああ、俺だって愛しちゃってるよ?」
「嘘だ」
「嘘じゃない」
「……じゃ、証明…してみせて?」

 横から顔を覗かせ、恥ずかしいのか目元がピンクに染まってる彼女を俺を見上げた。
 思わず零れる、笑み。
 しょうがないなぁ、と顔ではそう見せて、実際は「可愛いなぁ」なんて口が裂けても言えないことを考えながら、たった一つのキスを落とす。

「はい、証明終了ー」
「……」
「なに?」
「……別に…」
「物足りない?」
「うん」
「…正直」
「だって、正直にさせたのはキミのせいだよ?」
「うん、知ってる」

 やばい、さっきから笑みが止まらない。

「じゃ、私の言いたいことも解る?」
「もちろん」
「はい、じゃ、なーんだ!」
「さぁ?」
「なにそれ」
「言わせてごらん?」
「私が?」
「そ」
「……それじゃ、意味ないんじゃない?」
「どうして」
「だって、私の言いたいことを知ってるキミに、私の言いたいことを言わせるなんて…な、なんか頭がこんがらがって解らない…!」
「弱いヤツ」
「頭は弱くない!」
「そういう意味じゃないよ」
「そういう意味じゃない?」
「うーん…このまま会話を続けると、ずーっと同じこと言ってそうだから、とりあえず行きますか」
「どこに?」



「ベットルーム」



 不思議な顔をしている彼女の不意を付いて、耳元でこの単語を吐いてみた。
 思った通り、その場で固まる彼女。

「………どした?」
「ずるい」
「なにが」
「…………格好良すぎて」
「ばーか」
「馬鹿で良いもん。大好きなんだから」
「はいはい」
「子供扱い?」
「違うよ。大人扱い」

 ふざけた意味を込めて言うと、彼女は俺の考えた通り顔を赤くして顔を隠すように抱きついてきた。
 少しだけ小さな頭を撫でてやると、抱きしめる腕が強くなる。
 何度か頭を撫でてから、俺はゆっくりと、器用に、彼女を抱き上げた。

「…ね、なんでキミはいつも笑ってるの?」
「おまえだから」
「はい?」
「俺は、おまえだから」

 自分以上に、大切なキミだから。

「…ん?」
「これからじっくりたっぷり、教えてやる」

 未だに解らない顔をしている彼女を抱えながら、どうやって教えてやろうかと考えると、また笑みが浮かんできた。


 君が笑うから、僕が笑う。
 君が笑わないと、僕も笑えない。
 君も、一緒だろ?
 僕がいなきゃ、笑えない。


 一緒なんだよ、君は僕で、僕は、君なんだ。


 だから、「愛してる」の気持ちも一緒だよ。



るーこから、貰いました。
読んでいただければわかりますが、これはラブレターというモノです。
別称、恋文。
うは(笑
恋文の響きがいいので、それにしよう(何
かなるんに元気ないって泣きついて貰った様な物で、
心底嬉しかったです。
ぐへへ(*´▽`*)
一緒なんだよ!!愛しちゃってるんだよ!!!
こんな会話、ひたすら朝があけるまで彼女とは出来そうです(笑

ありがとう、るーこ。元気でたっていうか、愛されてて嬉しい(*ノノ)キャア
そんな愛妹のサイトはこちら〜v

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