寝室のドアを閉めて、既にショーツ一枚の私をベットの上に横たえらせる。

冷たいシーツの上で彼を見上げると、キスが降りる。

ちゅ、ちゅ、と何度も音が鳴るぐらいにキスを交わすと、稔の瞳もうっとりとした。

 

「………可愛いなぁ…」

 

にっこりと、私の額から髪を掻き上げるように頭を撫でると、もう一度深く口付ける。

角度を変えて、何度も何度も口付けることに溺れる。昔は、キスの事を「口を吸う」

と言っていたいたが、まさにその表現が合うぐらい、私たちは互いの唇を吸い合っていた。

 

「ん、ん、んぅ…」

 

私の上に乗りながらキスを落とす稔の首に腕を回してキスを強請ると、「しょうがないなぁ」と聞こえてくるキスが降りてきた。

キスで酔わせられてる間も、しっかり円を描くように胸を揉まれ、突起をさっきとは違う指つきで攻め立てられた。

 

「あ、…、んぅ…」

 

段々と唇が下に降りていく。

丁寧に首筋にキスを落とし、鎖骨をぺろりと舐め上げ、つつつ、と鎖骨から舌先が転がった。

そうして到達した場所は先ほどから早くそうしてもらいたかった、と硬く主張している乳首がある。

 

「……ぁ、…あ、ん…っ」

 

背筋をぞくぞくさせながら咥内に入れられた突起。

「優しく」という言葉にふさわしく、ゆっくりと舐め上げられた。ねっとりと絡みつく舌に意識が集中して、舌先で転がされる度に体が弓なりにしなった。

 

「あ、あ、あ、んぅっ…!!!」

 

同時に上がる声に、下半身はぬかるむ以上にびしょびしょだ。

しかし、それでも彼の指は下腹部に伸びることなく、相変わらず私の突起を弄っていた。

吸い上げられたり、ゆっくりなぶられたり、毎回毎回違った感触を与えられると、体がおかしくなってきた。

 

「…ん、あ、あ、…ゃぁ、…な、に、これ…ぇ」

「ん?」

「ひゃ、あ、ん…っ」

 

相変わらずぺろぺろと舐めまくる稔はやめることなく、様々な快感を与え続けていた。

私はなにが自分に起きようとしているのか解らず、稔の背中に爪を立てながら必死でしがみつく。

弓なる、以上に穏やかではない「暴れる」といった表現の方が正しいだろうか、そんな状態の体に振り回される。

頭の奧からなにか大きな波がやってくるような感じだ。

押し止めることは出来ない、しかし、確実にやってくる波。

それはある「一線」を越えるとやってくるようだった。

 

「…んんぅ、あ……あ、……あ、やぁ…っくぅ…」

 

徐々に高まっていく快感の波に、頂点が見えてきた。

「もう、駄目」だという海馬からの指令か、それとも私の体全体が出した指令なのか、思い切り稔に先端を吸い上げられた、と同時に体が大きく跳ねた。

 

「………みの…、る…?」

「よしよし」

「ふぇ…?」

「お楽しみは、これからだ」

 

と、言うと、いつの間に着ているものを脱いだのか避妊具を手早く着けていた。

着け終わると、ゆっくり指を差し入れる。

 

「ん、ぁあああっ!!」

 

今までにない感覚に、思わず叫んでしまった。

蜜壺から与えられた振動に、びりびりと体が反応する。怖いくらいに。

 

「……いくよ?」

 

耳元で囁かれて、こく、と頷くと稔がゆっくりと入ってきた。

 

「あ、あ、…ああああ…っ」

 

徐々に押し広げて入ってきた稔はとても熱くて、それでいて優しく私の中に入ってきた。

 

「くぅ…、…きつ、い…な」

 

ぎゅぅっと抱きしめながら、稔が苦悶に歪む表情を見ると心臓がきゅんとなる。

私の中に入ったことで気持ち良くなってるということを感じて、余計に嬉しくなった。

 

「……稔、みの、る…」

「…真姫…。大丈夫、……大丈夫だから…」

「ん、…っはぁ…」

「よし、良い子だ」

 

しばらく髪の毛を梳きながら、私を見下ろしていた稔がゆっくりと注挿を始めた。

擦られる内部が快感となって私を襲う。

どうしよう、気持ち良くて今まで以上に稔を感じる。

 

「…あ、んぅ…、みのる…、みのるぅ…っ」

「ん、…ま、き…。っく、あ…、やっべ、……くせに、なる…」

 

何度も何度も突き上げられる。

その快感が更に高みへと引き上げられていく。

 

「あ、あ、あ、…っ」

 

いつものように奧まできて、自分を打ち付ける稔。

それを抱きしめながら彼の名前を呼んでやると、彼は安心したように私の名前を呼ぶのだ。

 

そして────

 

「あ、い、く…っ」

「ん、……ん、…い、よ…!」

「あ、あ、真姫、真姫、ま、き…、い、くぅ……っ!!!!」

 

私を抱きしめながら思い切り突き上げると、稔が崩れ落ちてきた。

荒く、激しい吐息を整えながら、稔は私の頭を撫でる。愛しそうに、決して自分から離そうとしない。

 

彼の腕の暖かさ中で、うっすらと涙が滲む。

 

彼に愛されて幸せだな、と思う。

彼と一緒にいられて、こうして抱きしめることが出来て嬉しいと思う。

 

 

 

 

その日は、二人なにも着ないで抱き合いながら眠った。

 

 

 

 

俺様王様は、案外甘えたかったみたいです。

お姫様が王様の甘えん坊に付き合わされていることに気付くのは、これから先の未来の話。

 

とりあえず、二人に必要なのは綺麗なドレスやかぼちゃの馬車は必要なくて、二人が「二人」でいられる自由な時間と空間。

 

ここが、彼らの「お城」なんでしょうね。



一つ戻る  トップへ