「雪…」      


大好きな彼の腕に抱かれながら、窓から覗くちらほら舞う雪を眺める。
寄り添う彼との体温にどきどき心臓を高鳴らせながら、愛しい彼を抱きしめた。
 
「絵里…?」
 
嬉しそうに、少し掠れた声で私の名前を呼ぶ声。
その声がたまらなく好きで、少し起き上がって純也の顔を見下ろした。
 
「…今年は、ホワイトクリスマス、だね」
 
にっこり笑うと、「そうだな」って微笑んで、純也はまた私をベットの中に入れた。
     


「綺麗…」      


「今年は、ホワイトクリスマス、だな」
 
彼と体温を共にしながらベットに入っている私を、後ろから抱きしめるように私の言葉に稔が続いた。
 
「…パーティみたい…」
「……そうだな…」
「今年、こうして一緒に眠れて凄く嬉しい」
 
前に回された彼の腕を抱きしめるように、力をこめると、耳元で愛しい彼が私の名前を呼んだ。
     


「良かった…」      


ぽつり呟いた言葉に、彼が「なにが?」って問い掛けてきたから、素直に答えた。
 
「こうして、一緒に眠れて」
「…ホワイトクリスマスで?」
 
私の次の言葉を継ぐように呟いた彼の声も楽しそうで、にっこり腕の中で微笑んだ。
 
「それもそうだけど。やっぱり一番は、この景色を誰よりも先生と見たかった…」
 
幸せそう笑う彼の顔を見て、私も幸せそうに微笑むとこっそりベットサイドに置かれていた小箱を手渡してきた。
 
「なに、コレ?」
「雅都さんからの、クリスマスプレゼント」
 
ゆっくり小箱を開けると、そこには雪の結晶があしらわれた小さなペンダント。
 
「可愛い…」
「だろ?特別に、だってさ」
「…えへへ、嬉しいね…。…それで、祐恭さんは?」
「それは後でのお楽しみ」
 
くすくす二人で笑いながら、暖かい布団にくるまって来年も同じように一緒に過ごせたらいいね、と願った。
   


  「愛してる」      


照れたようににっこり微笑みながら最愛の人に愛を呟く、それを受け取ってくれたのか、雅都もにっこりと微笑んだ。
大きなガラスから見えるのは粉雪が舞う夜の東京の街。
大好きな彼と二人一緒の毛布に裸で包まって眺める景色は最高だった。
 
「…さっき、雪抱いてるみたいって言ったのは、このこと?」
「ちょうど、雪が降り始めた頃だったよ。…尋未は肌が白くて綺麗だから、本当に雪を抱いてるみたいだった…」
 
もっとくっついて抱きしめられた。
幸せな時間が訪れて、もう一度「愛してる」って言いたくなる。
 
「……幸せって、こうして二人で造っていくことなのかな…」
「…そうかもしれないな…」
「何度も何度も体を重ねて、心を重ねて、…そうして相手をもっともっと愛していくのかな」
「…そうだな…」
「…私、もう少しわがままになってみようかな」
「ん。いいよ」
「……来年も、再来年も、過ごす度に素敵なクリスマスをこれからも過ごしていこうね」
 
にっこり微笑んだ私に、一際嬉しそうに雅都が微笑んだのち、誰からともなく唇を合わせた。
       




  ―――クリスマスの幸せを、あなたにも…。
 



――Happy Merry Christmas !――
         



Presented by:伽月るーこ & 久慈とーや

       



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