─おまけ─

「───ほれ」
「あ?」
「これ、返すよ」

仕事でイライラしていた稔に、押しつけるように社長室で渡してやった。

「……なんで、おまえが持ってる…?」
「入手経路は、だいたい予想がつくだろう…」

考えれば解ることなのに、考えない稔の態度に思わずため息が漏れた。

「…そうか…。で? その顔はしっかり楽しめたんだな?」
「……そこまでは、言ってない」
「言ってるんだよ、おまえの顔が!」
「…稔の変態」
「その変態の道具を使ってれば、おまえも十分変態だ!」

イライラしている稔に、口では勝てなかった。

「ったくよー、こっちはDVDに嫉妬して、真姫のこと虐められなかったんだからなー」
「……はぁ?」
「いや、こっちの話。とにかく、返してくれてさんきゅーな」

と、手錠を手にした稔が、後日真姫ちゃんに手錠を使い思い切り強調した、という話を尋未から聞くのは、もう少し未来の話。
 

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