─────彼女に酒を飲ませたらどうなるか。


そんな話題で盛り上がったクリスマス。
久しぶりに稔とも飲みに行って、新しくできた友人とも飲んだ。
本当はやらなきゃならない仕事がたんまり残ってたんだが、その日だけは特別だと四人で飲みに行ったのだが。

「……どうなるんだろーか……」

話題にあがったあの話題が妙に頭に残っていて、ウイスキーを目の前に今さらながら悩んでいる。
現在22時過ぎ。
尋未は風呂に入ってる。
あと数十分もすれば寝室に戻ってくるだろう。

「……うーん……」

未だに酒を飲んだ彼女を見たことがない、だからといってこうして興味本位で飲ませるのもなにやら自分が汚いことをしているような気がして、気分が滅入る。
しかも彼女はまだ未成年だ。
自分が成年兼保護者の手前飲酒を薦められない。
だからといって、ウイスキーとコーラを毎晩寝室に持ち込んでその度に彼女を抱くのは、睡眠不足にしかねない。
既に、今も睡眠不足だと嘆いていたし。

「…どうしようか…」

毎晩彼女が風呂に行ってる間、俺はそればかりを考えて結局彼女に飲ませずに、自分で飲んで彼女を溺れるように欲しがってしまう。
いくら彼女でも体が保たない。
それだったら、いっそここらで彼女に飲ませてしまって、様子を見た後で今日は我慢して彼女と一緒にベットで寝るのが良いのかもしれない。
酒が弱くてすぐに眠くなる女性もいるしな、酔って暴れても俺だったら抑えられるし、泣き上戸だったら慰めてやればすむ問題だ。

「…簡単じゃないか…」

目の前に道が拓けたように自分の意志が固まった。
よし、気合いを入れて彼女が部屋に戻ってくるのを待とう、と思っていたときだ。

「────なにが簡単なの?」

風呂で体がほかほかになった尋未が嬉しそうに俺の傍にいた。
驚きで声を上げそうになったが、ここは平静に務めなければならないとの頭からの指令に従った。

「…仕事のことだよ」
「へー…、それにしては、随分と楽しそうな顔してたね」

何も知らない尋未が、くすくす笑いながらベットの上、俺の隣りに腰掛けた。
隣りに彼女の体温があるだけで洗い髪のシャンプーの香りが鼻に伝わって、抱きしめたくなった。

「そうか?」
「そうだよ」

こうして笑いあってる時間が好きだ。
何事もなく、二人だけでいる時間。

「……ね、今日も…飲むの…?」

ベットサイドに置かれているウイスキーの瓶を見つけた尋未が、怯えた顔でこちらを見た。
その顔を見て、こんな顔をさせるほど自分は尋未を欲しがっていたんだと思うと、申し訳なくなってくる。

「いいや、今日は尋未に飲ませるために持ってきたんだ」

彼女の頭に手をぽんと置いて、にっこり笑ってやるとほんの少しだけ安心したような表情をした尋未が、
「私に?」と問い返してきた。
「ああ。俺が飲むと、飲みたそうにしてただろ? だから、今日は尋未に少しだけ飲ませてやろうと思って」
「……で、でも私、未成年……」
「知ってるさ。でも俺は、尋未の彼氏、兼保護者だからな。それに、ここは俺のうちだし」
「……そっか…」
「飲みたくない…?」
「…ううん!……本当、飲んでみたかったの…」

えへへ、と照れた笑いで俺の唇にキスしてきた尋未。
可愛くて可愛くて、すぐにでも抱きしめてしまいたかったが、そうしたい気持ちをぐっと堪えて微笑みを返すだけに留まらせた。

「…で、なんでコーラ…??」
「ウイスキーは濃いからな。尋未にはコーラで割ってあげようと思って」
「へー」

ベットサイドで、グラスに氷を入れてウイスキーを三分の一ぐらいまで入れてやり、残りはコーラで割ってやった。

「一度も飲んだことないんだろ?」
「うん」

俺が尋未に作ったウイスキーのコーラ割を作っている間、彼女は犬のように俺の手元だけを 興味津々に見つめていた。
そんな仕草も可愛くて、自分が彼女にめろめろになっていると感じるとほとほと呆れた。

「……はい、これで大丈夫」

最後にマドラーで混ぜてやり、自分でも味を見てからグラスを尋未に渡した。
両手で嬉しそうに受け取った彼女は、満面の笑みで「ありがとう」と言うと早速グラスを口に付ける。
恐る恐るグラスを口に付けて、それを流し込んだ。

「……わぁー、コーラだぁ…」
「そりゃ、半分以上コーラで割ったからな」
「こんなに飲みやすくなるんだねー。びっくり!」

嬉しそうに俺に話しかけながら酒を飲む姿は、遊びを覚えた子供のようだった。
楽しそうにグラスに口を付けながら、ちょっとずつ酒を味わい、ほんのりピンクに頬を染めた。
俺はここ最近毎晩飲んでいたので、今夜は尋未の体を休ませるためにもコーラで我慢した。
様子を見る限り、特に変わったこともなかったので、安心しながら楽しそうに話す尋未の話に耳を傾けていた。


「─────それでね、真姫ちゃんってば暁さんに虐められないように、その道具隠しちゃったんだって」

「…道具?」
「そう、道具」

あの変態鬼畜が、彼女を虐めるために使う道具だ、決して「良い物」じゃないのはすぐに検討がついた。

「真姫ちゃんも、大変だな」

あの稔を相手にしてるんだ、体がいくつあっても足りないだろうにそれでも長い間あいつに付き合ってくれてるんだ、こちらからしてみれば「表彰」ものだ。

「うん、大変って言ってた。だから、もらっちゃった」

今、一瞬自分の耳を疑った。

「…もらっちゃった…?」
「そう。もらったっていうか、真姫ちゃんが、私に預けたていうのかな…?」

なんだか、本気でいやーな予感がする。

「あ、そうだ! 今、部屋から持ってくるね!!」
「ひ、尋未───」
「大丈夫、そんなに危ない物じゃないから。ちょっと待ってて」

そう言って、俺の話を聞かずにベットから飛び降りた尋未は、裸足で寝室を出た。
残された俺は、少し頭を抱える。
にっこり微笑んだその顔は、いつも見る尋未の顔で。
ほんのり頬がピンクに染まったからといって、酔ってるわけではなさそうだ、…と、思いたい。

「頼むから、変なもの持ってくるなよ…?」

尋未が戻ってきたら、有無を言わさずすぐに寝かしつけようと硬く決意する俺なのであった。



「────まーーーさーーーと」


目を開けると嬉しそうにこちらを見下ろす尋未の顔。
少しだけ頭がぼーっとするのが解る。


しまった…!!!
ここ最近自分も寝不足だったのを忘れていた!!


そうなのだ。
自分だって仕事が忙しくて疲れているのに、毎晩晩酌して尋未を抱いてればこちらも寝不足になってるのは当然で、尋未を待っている間に眠ってしまったらしい。

「……尋未…?」
「なぁに?」
「…俺の手、動かないんだけどなにした…?」

まず自分の状況を知るために、起きあがろうとした。
が、ベットに寝かせられその上に尋未が乗り、両手を上で留められた形になっていれば起きあがれるのも起きあがれない。

「えへへー」
「ご機嫌なのは解ったから…、尋未、俺になにした…?」

手を動かそうとすると、ジャラ、という金属音が聞こえる。
その音と、嫌な予感が合致するまでに時間はかからないだろうな、と思った。

「…えへ、繋いじゃった」

語尾にハートマークが飛んでるのが解った。
最後の尋未からの言葉を理解するのに、俺の頭脳は最高に早く動いた。
尋未は真姫ちゃんから預かったという稔が、彼女を虐めるための「道具」を取ってくると部屋に戻り、その間に寝ていた俺にきっとその「道具」を使用。
それは俺の両手を繋ぐことば出来る代物で、俺はベットに繋がれている。
この状況と、稔の変態的鬼畜っぷりを考察してみるに、俺は今、猛烈に恐ろしい状況になっているかもしれない。

「……な、なぁ尋未…」
「んー…?」
「…もしかして、……これ、手錠…じゃ、ないよなぁ…?」
「そだよ」
「…え…?」
「雅都に、手錠かけてみましたー!」

がーん…。
なにが楽しくて彼女に手錠を掛けられなければならないんだ。
しかも、尋未は完璧に酔ってる。奴が暴れたら俺は彼女を組み敷くことも出来ない。
とりあえず、祈るような気持ちで、無理だと解っているが尋未との和解交渉をしてみた。

「…尋未」
「んー?」
「手錠の鍵、どうした…?」
「持ってるー」

…良かった、鍵はちゃんと持ってるわけだな。

「…このままじゃ、尋未のこと抱きしめてやれないんだけど、それでも良い?」
「……ぎゅぅ、出来ない…?」
「ああ。抱きしめてやれない」
「…やだ」
「それならこの手錠を取るしかないな」
「……」
「…取ってくれたら、ちゃんと抱きしめてあげられる」
「……」
「尋未…?」
「……いや」
「…どうして?」
「つまんない」

つまらないという理由だけで、このマグロ状態はこちらこそ嫌だ。

「…尋未、良い子だからこれ外しなさい」
「いーや」

こんな時、強引に唇を奪ってやると黙って俺の言うことをきくのに、それも出来ないのは悔しい。
むしろ、こうして彼女のほんのり火照った体を見上げるのが、視覚的にも俺の欲望に火をつけてしまう。
今日は、尋未の体を休めようと思っていのだ、このままだと俺が尋未を抱きたくなってしまう。

「…尋未、いい加減に─────ん…」

叱ろうとした自分の唇を、彼女の唇が覆った。
小さな唇が柔らかく俺の唇をなぞり、強引に口の中へ入り込んだ。

「…ん、ぅ……」

彼女の柔らかい舌で咥内を蹂躙される。
いつの間にこんなにキスが上手になったのか、自分でも驚くほどの成長ぶりに、教えた自分でドキドキしてしまった。
確実に尋未は自分好みの女になっている。

「……抱きしめてもらえなかったら、私がぎゅぅってするもん……」

ふわり、俺の体を被さるように尋未が柔らかなその体を押しつけた。
パジャマ一枚挟んで尋未の徐々に大きくなってきている胸の暖かさが、ダイレクトに伝わる。
そして、気付いてみれば尋未はパジャマの下を脱いでいて、俺の下半身の上にパンツ一枚で乗っていた。
あまりにも尋未の温もりがいろんなところから俺の体に伝わってくる。


…やばい…。


「……あ……」
「な、なんだ…?」

なるべく平静を装うべく、熱くなり始めた下半身を意識しないように尋未のうっとりとした顔を眺めていると、尋未がなにか思い出したように上半身を起こした。
それはそれで温もりが消えて寂しいというか、柔らかくて気持ちよかったというか、残念な気持ちにはなった。
しかし、彼女に俺の「熱」を知られてはいけない。
これ以上刺激されて、悪戯でもされたらたまったもんじゃない。

「……暑い」

虚ろな目で、小さくぽつりを呟いた彼女の一言が、思考能力を一旦停止させた。

「…脱ぐ」

次の一言で、叫びたくなる気持ちを必死で堪え、尋未の名前を呼ぶ。

「尋未、待て、脱ぐな」
「……だって、暑い……」
「暑くてもいい、脱がないでくれ!」
「……」
「尋未…?」
「…いや」

「待て」と俺が言うより早く、尋未はパジャマのボタンを外し始めてパジャマを降ろした。
目を覆いたくなるほどの彼女のえっちな裸体をこの目で見てしまっては、すぐに反応を起こしてしまう。
今でも彼女を抱きたくてたまらない気持ちを抑えていると言うんだ。
それなのに追い打ちをかけるように彼女は、俺の目の前でパジャマを────

「…ありゃ、脱げなかった」

ボタンを最後まで外してなかったのか、両肩だけ露わになってちょうど二つの胸の膨らみのところが隠れた状態になっていた。
それはそれで、ある意味こちらを刺激するような状態になったのだが。

「……良かった…」

思わず呟いた一言を聞いたのか、尋未がぼーっとこちらを眺めている。

「…ど、どうした…?」
「雅都、顔赤いよ…? 熱…??」

心配そうに顔を歪めた尋未が、ゆっくりとこちらに向かって顔を近づけてくる。
そうするとパジャマの下にある膨らみが見えそうになるわけで、動揺しながらも
しっかりと目をそこに釘付けにしてしまうあたり、俺は本当に「正常な男」なんだと実感する。
そうして尋未は俺の額に自分の額をくっつけて、熱を計る仕草をした。

「…………大丈夫…?」
「ん、…平気…」
「良かった…」

至近距離で俺の大好きな砂糖菓子のような微笑みを見せられてしまうと、唇が恋しくなる。
艶を帯びた唇が近くにあるのに触れられないのは、寂しい。

「……尋未」
「う?」
「…キス、して…」
「きす…?」
「そう…。俺、キスしたい…」

自分でも情けないと思う。
それぐらい、彼女の唇に触れたくて触れたくてたまらなかった。

「……雅都、かわいー……」

嬉しそうに微笑んだ尋未が、ゆっくりと唇を近づけてきた。
結局自分は尋未に惚れまくっていて、尋未にこうされても嫌じゃなかった。
好きな人になにされてもいい、とよく女は言うが、それは男でも同じかもしれない。
愛しいと思う気持ちが強ければ強いほど、好きな人に蹂躙されるのもまた「愛してる」と言われてるようなものなのかも。
いや、だが、やっぱり俺はこの状態には腑に落ちない。

「……すき」

唇を離した後、艶やかな表情で愛の告白を受けると、もう駄目だと言わんばかりに自己を主張している俺の下半身。
野性的な「男」の部分が情けなく感じる。

「……あ」

そしてまた、なにか思い出したように呟いた尋未。
その視線は自分が座ってる場所にいき、その下には猛り狂いそうになってる俺の下半身が自己を主張していた。

「…ひろみ…?」

背筋にツーッと冷や汗が流れたような気がした。
視覚的な生殺し状態で、追い打ちをかけるように俺で遊ばれた日にはショックがでかい。
それだけはなんとしてでも阻止したかった。
俺は、AV女優みたいなことだけは尋未にしてもらいたくなかった。
本人が進んで「したい」と言えば、それはそれで良いが、今は彼女がしたいのかさえ解らないし、しかも酒を飲んで酔っぱらってる状態だ。そんな彼女にやらせたくなかった。

「……熱い……」

つつつ、と膨らみを滑るように撫で上げる尋未。

「あ…っ」

体が反応すれば思わず声もあがる。その拍子に手首にかけられた手錠が音を立てた。

「……かわい…」

くすくすと、まるで魔性の女のような瞳でもう一度同じように撫で上げる。

「んっ」

俺の反応が面白いのか、尋未はさらに何度も何度もそこを撫で、最終的にパジャマの上からかぷっと噛んだ。

「あうっ…!!!!」

今までにない快感がソコから体中に電流が流れるように痺れた。
自分の心臓の鼓動だけが耳についてどう対処して良いか解らない。
頭が真っ白になりそうになりながら、とにかく尋未を止めようと口を動かして言葉を発しようとするが、それを邪魔するように、尋未は熱く猛ったソコを上下に動かし始めた。

「…あっ…、ひろ、み…!! く、…ぅあっ…」

規則正しく手錠がベットに当たって金属音を発している。
彼女を攻め立てる時とはまた違った快感が体中に満ちていた。

「……んっ……」

もう駄目だ。今すぐにでも尋未にしてもらいたくてしょうがない。
完全に、俺の理性がなくなろうとしていた、────その時。


「……痛そう……」


と、行為をやめて俺の手首を見た。悲しげに眉を潜めて、そっと手錠に手をかける。
すると、カチッという音と一緒に俺の両手が開放された。

「痛かった? ……ごめんね…?」

相変わらず上からどこうとはしない尋未が、俺の両腕に唇を落とした。
よく見てみると、赤くなっているだけでそんなに痣が残るほど酷いものではなかった。

「…まさ───んんぅ…!!!」


─────けれど、俺はもう限界だ。


柔らかくて小さな尋未の体を掻き抱き、唇を塞ぐ。
生やさしいキスなんて、誰が出来るか。しつこいぐらいに唇を当て、舌を絡ませ、唾液を喉に伝わせるほど息も継がせてやらなかった。

「んんっ、ま、…息…っ」
「我慢…」
「ふ、ぅんーっ!!」

もう駄目だってぐらいにキスを交わして、いや、交わすよりもこちらが一方的に愛情を押しつけるように唇を押しつけ、体制を変えながら尋未を自分の下に組み敷いた。

「……まさ、と……」

ようやっと離れた唇から、肩で息をするぐらいにキスでめちゃめちゃにしてやった。
瞳に涙が浮かび、いつもの俺を待ってるような瞳で俺を見上げる。

「…尋未が悪いんだからな…」
「え…?」
「俺をこんなにした、尋未が悪い」

今度は吸血鬼のように尋未の白い首筋に唇を当て、紅い痕が着くまで吸いついた。
体を捩らせる彼女の体に手を這わせ、触りたくても触れなかった胸の膨らみを十分に揉んでやった。

「んっ…、あ、…あん…」

立ち上がった突起を指で摘み上げると、パジャマの上から感じている証だと自己を主張した。
首筋にいくつもの紅い花びらを散りばめた後、俺は片手でパジャマのボタンを全部外し下着をつけてない柔らかな膨らみに、唇を寄せた。

「あああっ」

鎖骨から胸の頂に向かって舌を這わせ、彼女を焦らす余裕がない俺はそのまま突起を口に含んだ。甘い蜜の味がして、何度も何度も舌で弄んだ。

「ん、あ、…んんっ…」

その度に与えた快感で体をしならせる尋未が可愛くて、早く尋未の中に自分を埋めてしまいたくて、性急に彼女の下腹部に指を忍ばせていた。

「あっ…んぅっ!!」

しかし、俺が我慢しながら愛撫をしなくても既にそこはぬかるんでいて、溢れ出しそうになっていた。
両方の頂をいたぶるように舐め上げ、甘噛みし、追い立てるように吸うと、彼女の蜜も流れ出るように溢れ出した。
頂にするように、ゆっくりと指を出し入れしてやると「行かないで」と言わんばかりに締め付けてくる。
きゅっと締まる彼女の中が暖かくて、彼女も自分を欲しがってると感じれば感じるほど今すぐにでも突き上げてしまいたい衝動が大きくなった。

「───雅都…」
「ん…?」

猛った自身に避妊具をつけていると、尋未が虚ろな瞳で俺を見つめた。
用意が済んだ俺は、彼女の足を開かせその間に自分の身を入れ、ゆっくりと彼女の中に自身を沈めていった。

「あ、…ん…」
「なに? 尋未」
「…あ、の…」
「うん…」
「奥まで、欲しい…の…」

今ままで、我慢できなくさせるほど俺を翻弄させた彼女が、理性を弾き飛ばすほどの台詞を吐いた。

「…馬鹿…、優しく出来なくなる…!!」

しかし、それをぐっと堪えて、すぐにでも動かしたい腰を中に入れるだけで押しとどめ、俺は彼女を力一杯抱きしめた。

「……いい…。激しくしてぇ…、優しくしなくていーから…、あ、……もっと、つよ、く…」

最後まで言ってる事を聞けないぐらいに、俺が目の前の彼女に溺れるとは思わなかった。
既に絶頂は近かった。
彼女が俺を締め付けてくる力も、俺が彼女を突く速度も上がっている。
頭の中が真っ白になるぐらいの尋未の艶やかな表情が、俺をさらに誘い、彼女の唇から漏れる吐息が俺の体を熱くする。
こんなに激しい激情を自分が持っていたのかと思うほど、俺は酷く尋未を求めていた。

「…あ、あ、…はぅ…んっ」
「ひ、ろみ…っ」
「あ、あ、雅都、い、い、そこぉ…!」
「……っくぅ…!!」

気持ちよすぎで、頭がどうにかなりそうだ。

「……あっ、あ、や、っ……」
「ほんっとーに、…手加減、できないから、な…っ!!」
「ん、い、あ、……も、もぉ…駄目ぇ…っ!!!!!!」

的確に彼女が感じる部分を攻めていたからなのか、彼女が大きく体を仰け反ると一気に中に入ってる俺も締め上げられた。

「く、…っそぉ…っ!!!!!!」

喧嘩してるわけじゃにのに、こんなに気持ちの良いセックスに感じて尋未をめちゃくちゃに抱いてしまった自分に対して、悪態をつく。
そのまま吐き出してしまった尋未の中は、こんなに大きく、暖かく息づいていた。

その後、尋未が酔ってるのを良いことに自分の体力の限界まで彼女を離さなかった。
もちろん、しっかりと稔が真姫ちゃんに使った手錠を、俺も同じように尋未に使ったのは言うまでもない。

「…あれぇ?」
「んー?」
「…これ、なんだろう?」

検証結果。
尋未は、酔うとなにをするか解らなくなり、記憶も失うらしかった。

「…また、寝ぼけてたんだろう…?」

不思議そうに首を傾げた彼女の仕草は、いつもの彼女に戻っていて、いつものように愛しさがこみ上げた。

――おわり

おまけ  


るーこから頂いた、小説。
実は、こっそりリクエストをしたのですが、
見事に叶えていただけました。
ありがとう!!本当に本当にありがとう!!!
もうね、これを貰った瞬間は固まりました。
そして、次の瞬間急速に時間が動き始めた。

で。

悶 絶(*´▽`*)

がふぁっ(吐血
ま、まままま雅都さんてばぷりちー!!!
っていうか、尋未ちゃんてばやるな!!!!(笑
もうね、凄く良かったです。
これを読んだ瞬間、私の中で彼らがトップに返り咲きました(笑
ああもう、大好きよ総帥アンド総帥夫人!!
ぜひともっ・・・そう。
ずぇひとも、またコラボりましょう(´ー`)
さすがは、萌エロ同盟管理人だけあります(笑
これからも、よろしくねんvv

そんなステキるーこのサイトはこちらから↓

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